レディメイド:マップ / Readymade: Map

トーキョーワンダーサイト渋谷にて、+Gallery企画の展示"Readymade:Map"を開催しました。秋元しのぶ氏とソ・ジンソク氏の協力で、カナダ・韓国・日本のレディメイド作品を集めた展示です。この展示は秋に+Galleryへと巡回します。

Readymade: Map
レディメイド:マップ
2006/6/16.sun−7/2.sun

アーティスト
カナダ:秋元しのぶ Mike Hoolboom Christy Thompson Rhonda Weppler + Trevor Mahovsky
韓国:チェ・ジンギ ハン・サンヒョク
日本:泉孝昭 加藤万也 高橋伸行 竹田尚史 冨永佳秀 平松伸之


Readymade :Map
実験的で先鋭的な、商業活動には収まらない活動を積極的に行うオルタナティブなアートプロジェクトは同時代的で現在進行形の価値がまだ完全に定まっていないものを提示していく役割を担っていて、年々アートシーンの中でその重要度が高まってきています。そんな活動を継続的で発展的にしていくには国内外の活動との共同やネットワークが重要でしょう。そんなオルタナティブスペースのネットワークを国際的に構築し、各国のアーティストのレディメイド作品を機軸にして展示することで、それぞれの国の文化的特徴や傾向を展望しようと思います。

マルセル・デュシャンが1913年に自転車の車輪を椅子に取り付けた作品がその始まりとされるレディメイドは、その後のアッサンブラージュやポップアート、シミュレーショニズムへと繋がって1980年代には現代美術の一つの表現方法として定着し、すでに確立したと言えるでしょう。既成の物やイメージを多用して、ベンヤミン的な近代芸術の唯一性(アウラ)に背を向け、大衆芸術からの流用(アプロプリエーション)を積極的に推し進めたシミュレーショニズムの本質は「カットアップ」「サンプリング」「リミックス」にあります。(椹木野衣『シミュレーショニズム−ハウス・ミュージックと盗用芸術』より)

引用というよりも略奪と言える「サンプリング」や、切断しランダムに取り出す「カットアップ」で集められた素材を要約することなしに再構成し反復する「リミックス」行為は、音楽においてより早く確立し、引用元を知らなければオリジナルなのかアプロプリエーションなのか区別がつかないほど一般化しています。
音楽においては、既に「曲」として成立したものから引用することが多いのですが、美術の場合は工業製品を流用したものから、マイク・ビドロのように「美術作品」自体を盗用するものへと拡張してきました。音楽と違い美術においては物体として提示されるものだけが作品ではなく、誰が何をどう提示するのかも含めて成立する作品であるという点が特徴でしょう。どこまでを既製品として捉えるか、またその取り扱い加工の程度によってレディメイドというカテゴリーは流動的ですが、今回は既製品(やイメージ)に対してなるべく最低限の加工によって作られ提示される作品で「レディメイド」を再確認、再認識してみたいと思います。

作品の素材に既製品や既成イメージを使うということは、その時代や地域の文化特性が現れる行為だと言えます。特別なものよりも一般的に見慣れていて使われていたり関心を持たれたりしているからこそ、それは引用の対象となるからです。現代のように物質や情報が氾濫している中からなぜそれを選択したのか、そしてどう扱うのかが当然重要になります。今回の展示はそんな「レディメイドによるカルチャーマップ」となることでしょう。

企画:+Gallery
協力:トーキョーワンダーサイト


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